和錠

和錠

日本で最も古い鍵と言われているのは650年ころ使われていたとされる海老錠です。海老に形が似ているからこのように言われます。海老錠は正倉院にも収められていますから、展示されていたら実物を見ることも可能です。

江戸時代ころになると和錠と呼ばれる日本特有の錠前が作られるようになります。有名なものは4つほどあります。

阿波藩で作られていた阿波錠は花弁などの美しい装飾がされているものです。阿波は産業で栄えていたのでこのように華やかなカギが作られました。機能的にも優れていて、何段階にも操作しないと開けられないからくり錠になっていました。

土佐錠は縦の縞模様が特徴的です。因幡錠は中央がふくらんでいる箱型をしています。安芸錠は裏表が中央でふっくらとしているのでひきがえるのような形をしていて「どんびき錠」とも言われています。どんびきとは広島弁でヒキガエルのことです。

現在でもこのような古い和錠を蔵などで使っているご家庭があります。広島のとあるお宅では蔵がよっつほどあり、保管しているものに従ってそれに見合った安芸錠を使っているということです。一番立派な書画蔵に使われている安芸錠には「法安」という銘が掘られています。これが作者の名前だということがわかります。法安は江戸時代の刀の鍔職人でした。江戸時代は戦がなかったのでこのように武器職人が錠前職人に転職していたのです。

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